
特に「子宮内膜症」=「不妊」のイメージを持っている人も多いように見受けられます。
子宮内膜症が不妊因子になる原因が大きく3つあります。
(1)内膜症が引き起こす癒着
特に卵巣、卵管の癒着が原因。これらの癒着により、卵子が「卵管采」に取り込まれないいわゆる「Pick Up障害」になります。
この癒着がなければ内膜症であっても、妊娠率はあまり低下しないといわれていますが、内膜症はほとんどの場合、癒着を伴うものなのです。
(2)卵巣チョコレートのう胞による卵子の質の低下
内膜症病変が発生し、卵巣の中に古い血液が貯留した状態になる卵巣チョコレートのう胞。内膜症は炎症に近い病態のため、「卵子の質が低下」する要因となっています。
(3)内膜症病変そのものから発生する「サイトカイン」という物質
炎症が起こった時に産生されるたんぱく質「サイトカイン」は、正常な細胞にも障害をもたらします。排卵された卵子が卵胞から飛び出し、卵管采に取り込まれるごくごくわずかな時間に、腹腔内に暴露されれば、もし軽度の子宮内膜症でも不妊の要因となります。
この3つが不妊を引き起こすと考えられますが、絶対的な不妊の原因とはならないため「相対的不妊因子」とされています。
しかし、内膜症であっても妊娠する人もいるので、医学的には「相対的不妊因子」の位置付け。つまり、子宮内膜症だからといって妊娠できないわけではないのです。