桜井 明弘 あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由

不妊の原因にもなる貧血。疲れやすい、気力がない・・・そんな女性に、二人の医師から

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女性のQOL(生活の質)向上特別対談

血液内科医 久住 英二

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産婦人科医 桜井 明弘

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50歳未満の日本人女性の22.3パーセントは貧血で、そのうち25.2パーセントは重度の貧血。

また妊婦の30~40パーセントが貧血で、これは先進国の平均である18パーセントとは比較にならず、

発展途上国の56パーセントに近い数字だそうです(貧血大国・日本~放置されてきた国民病の原因と対策 山本佳奈著)。

この、調査を行ったのが久住英二医師です。

久住先生は、理事長を務めるナビタスクリニックに貧血外来を開設するなど、貧血の治療に尽力。

9月にはNHKの情報番組「朝いち」に出演し、若い女性の貧血について解説しました。

 

 

フラッと倒れる、くらくらする・・・貧血に対する世間のイメージと実際は違っていた!

 

久住「貧血は、酸素を供給する働きをもつ血液中の赤血球が減少し体全体が酸素不足になる状態です。

赤血球に含まれるヘモグロビンという色素が薄くなるため、ヘモグロビンの値を貧血の目安にします。

医療においては、血中のヘモグロビンの濃度が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下の状態を貧血と定義しています。

症状としては動悸、息切れなどが一番多く、フラッと倒れるたりする全てが貧血というわけではありません。」

 

桜井「女性は、毎月生理がありますので自然に鉄分を排出している一方で、ダイエットや栄養の偏りで、入ってくる鉄分は少ない。

つまり慢性的に鉄分が不足している状態ですね。

そして、大量に出血してしまうのではなくても、少しずつなくなっていくので、その状態に体が慣れていくんですね。

自覚症状があまりない方も多いです。」

 

久住「私のクリニックが開設している『貧血外来』でも、よく立ちくらみなどの症状で貧血を疑って来る患者さんが多いけれど

血液検査をすると貧血ではない。起立性調節障害など、自律神経に原因がある場合が多いのです。

世間で言われている貧血のイメージと実際の貧血は違います。貧血の患者さんの多くは鉄分不足による『鉄欠乏性貧血』。

貧血には『再生不良性貧血』『腎性貧血』などもありますが、鉄欠乏性貧血が最も多いです。」

 

桜井「ヘモグロビンの濃度では明らかに貧血でも普通に生活している人はいますね。

よくよく聞くと階段を使ったり走ったりしていない。無意識に息切れするものを避けているのです。

症状がなければいいのかというとまったくそんなことはなく、鉄が不足していると、いい卵子が作られず不妊の原因になります。」

 

排卵期の超音波写真

貧血は血液検査で判定。一般的な治療は鉄剤

 

久住「貧血は血液検査で判定します。一般的な血液検査ではヘモグロビンを測定しますが、実はカラダにどれぐらい鉄が貯蔵されているかを調べる『フェリチン』を測ることが重要ですね。

目安として12を維持できればいいので、貧血の治療もそこを維持できるよう治療しています。」

 

桜井「実は、不妊と貧血も深くかかわっていて、不妊治療に来た患者さんは、赴任原因を調べるためにフェリチン量を測ります。不妊治療では目標は30です。妊娠率をあげるにはそれぐらいを基準に考えています。」

 

久住「30まであげるのは結構難しいですね。」

 

桜井「そうですね。特に、月経のある女性は難しいです。」

 

久住「フェリチンの値は閉経すれば100ぐらいになりますし、鉄剤を注射すればあがりますが、通常は飲み薬で対応します。

日本人女性の鉄欠乏を治すには1日+15ミリ必要です。今食事から摂っている量が8ミリグラムぐらい。

それではたりないので、私がよく実施する治療は、50ミリグラムぐらいの鉄剤を毎日か一日おきに、一日一回飲むようにしてもらいます。

二価の陽イオンである鉄を毎食摂ると他の二価の陽イオン、カルシウムやマグネシウムなどの吸収を阻害するという説もあるので、一日一回です。

ただし、鉄分は特殊な病気の方以外は摂りすぎを気にする必要はありません。

たくさん摂っても、必要ないものはすべて吸収されずに排せつされてしまいます。

鉄剤ではなくサプリで代用したい方もいますが、含まれている鉄の量が少ないのでそれなりに費用がかかります。

また、鉄分が胃酸に触れて酸化、イオン化され、吸収されるというプロセスを起こすには市販のサプリは効果が十分にないものもあります。

いずれにしても血液検査を行いながら鉄分がきちんと吸収されているかを定期的にチェックする必要があります。」

 

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気になる方はまずは内科(貧血外来)。プラス婦人科チェック

桜井「貧血の原因も治さないといけないですね。婦人科が診るヘモグロビンが低下する鉄欠乏性貧血の患者さんは、ほとんどが過多月経。その原因は、日本人の場合、子宮筋腫か子宮内膜ポリープなど器質系疾患があるので原因を治さなければならない。

排卵しないから不正出血が多い人もいます。その人もなんらかの機能性疾患があるわけだからそこを治す必要があります。

そのほかに、少数ですが、いわゆる機能性子宮出血、何の異常もないのに出血が多い人もいます。

貧血の原因となる病気があるのかないのか、きちんと婦人科で検査をしてから治療をする必要があります。

特に将来子どもを産む可能性のある女性は、婦人科での検診がとても大切です。」

 

 

久住「なるほど、それは大事なことですね。また、臨床だけでなく、国の対応も必要だと思います。

他の国は貧血の女性を減らす対策をしました。実は、どこの国でも食生活の様式に関係なく女性の3割は貧血なんです。

これについてはWHO(世界保健機関)も問題視していました。そこで諸外国では小麦粉などに鉄を添加しました。

ビタミンB12や葉酸を添加して神経管開存症に対応した国もあります。その結果、先進国も途上国も、女性の貧血は劇的に減ったのです。」

 

桜井「私たち医師が臨床で治療を行うことも大事ですが、女性の健康に関して、国として取り組むことや、

他の業界の方と歩調を合わせて取り組んでいくことがたくさんありますね。」

 

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貧血セルフチェックもついています。ぜひ参考にしてください。

「貧血大国・日本~放置されてきた国民病の原因と対策」 山本佳奈著 光文社新書

 

久住英二医師

医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック理事長

新潟大学医学部卒。虎の門病院血液科を経て、ナビタスクリニック立川を開設。

満たされていない医療ニーズに対応すべく、

アクセスのよいエキナカで夜9時まで通常診療を提供。

専門は血液内科、旅行医学、予防接種。

ナビタスクリニック立川

ナビタスクリニック川崎

ナビタスクリニック新宿

 

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雨が降ってもぬれずに行けるエキナカクリニック。薬局も隣接していて便利。

きれいでスタイリッシュな内装なのに、あたたかみのある応対で、
どんなことでも聞いてもらえる雰囲気は、理事長の思いそのものです。

 

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香月 よう子

香月 よう子フリーアナウンサー

投稿者プロフィール

番組パーソナリティ、ナレーターの他、中心市街地活性化、町づくり等、省庁主催のシンポジウムのコーディネーター、講演を行う。一方で、「きてきて先生プロジェクト」の代表として、地域を担う人材の教育活動を展開。

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