桜井 明弘 あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由

美人化対談~映画監督と「生きること」を語る☆3

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六車俊治監督作品「リトルパフォーマー風の鼓動」公開記念

~同級生の医師、桜井明弘と「生きること」を語る

テレビ朝日出身の映画監督六車俊治。2016年3月、「Shadow Kids」に続き、「リトルパフォーマー風の鼓動」を公開。宮沢賢治の「風の又三郎」をモチーフとして制作された作品だ。長崎県佐世保市で生まれ、関西経由で群馬県高崎市に転校した六車監督。一方、桜井医師は地元群馬県高崎生まれ高崎育ち。現在は産婦人科医師として、最先端の生殖医療を手掛け30000人の不妊治療を行う。一般社団法人美人化計画の代表理事でもある。多感な中高時代を一緒に過ごした同級生だからこそ語れる「子ども」「未来」「生きること」。シリーズ3回のうちの2回目です。初回はこちら。 第2回はこちら

◆医療の進歩の先にある「デザイナーベビー」

六車「ところでそういう不思議なものとか解釈できないものって、医療の現場にいてどうとらえるんだろう?桜井は、西洋科学の真っただ中にいるわけだし。不思議なことってあるんだろうか。」

 

桜井「それは、ある。『残念だけど助からないだろうな』と思っていた患者さんが助かることもあるし。西洋科学で解明できない現象はあるけれど、それは『現代科学』で解明できないだけで、1世紀下れば解明できるかもしれない。ただ、ファンタジーを感じながら生きるのは大事だよ。全部解明されちゃったらつまらない。」

 

六車「そうだな。すべてをわかっているわけじゃない。と人間が感じることはとても重要だと思う。実はまったくわかってないじゃん。っていう感じ。でも不妊治療の現場は日進月歩だろ?」

 

桜井「今や『デザイナーベビー』というのも夢じゃない。例えば、六車のこの遺伝子を使ったものはだめで、こっちの遺伝子を使うということができるし、それによって、『最高の遺伝子を持った子ども』を作るということがすでに理論的には可能になっているんだ。つまり、SFの世界が今や現実となってきているわけだ。まあ、臨床の現場はそこまでは行ってないけど、それでもどんどん進化している。」

 

六車「人の生命の神秘にせまっているね」

 

桜井「日々、迷いやためらいの中でギリギリの選択をしていることだけは確かかもしれない。例えばがん治療であったら、治療すれば良いのか、単なる延命治療に対するためらいとか、寿命をいたずらに延長しているのではないか。不妊カップルはどうして不妊なのか、治療によって妊娠することがベストなのか、子どものいない生活を否定するのか、とかね。昔は『授からない』ということで終わっていたものが、今やいろいろな医療を施せば授かるかもしれないということになってくると、六車の言うとおり『人の生命の神秘』や『生きる意味』と毎日向き合いながら臨床現場にいるのかもしれないね。

 

六車「どんどん行くしかないんじゃないか。桜井は、『人類とは何か』とか『人として生きるとはどういうことなのか』というところと向き合って、『生殖医療を施す」という魔法使いになろうとしているんだよな。普通だったら無理なことをやっている。とことんやればいい。どれだけの人間を救えるのかやれるだけやって、そのあとそれをテーマに映画をつくればいい(笑)」

 

◆対談を終えて

六車監督より

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桜井は子どもの頃は、いわゆる「悪ガキ」のリーダーみたいな少年でした。いい意味で「やんちゃ」で、教師の人たちも一目置くような少年でしたね。細かくは言えませんが、いろんな「イタズラ」を一緒にした記憶があります。ひたすら、笑わせてもらってましたね。

医師として、日々、現場でキャリアを積み、あのイタズラ少年もずいぶん立派な大人になったな、と思います。「医療」と「映画」は、ずいぶん遠いところにあるように思っていましたが、俯瞰すると社会の中でのポジションは意外に近いところにあるのかもしれない、と今回思いました。今後も、何かコラボできる機会があればやってみたいですね。

対談でも言いましたが、この映画は子どもたちが大人になったとき、正しい判断や選択ができることを祈って制作しました。女性の皆さまにもぜひ、この女の子たちが少しずつ大人になっていく姿を見てほしいと思います。

廃校になった小学校で子どもと向き合って撮影した夏。すべてを出し切って、もう、このような映画は二度と撮らないと思えるぐらいつきつめました。

ところがロケ現場に来たプロデューサーや脚本家が「これこそが映画。もっとやったほうがいいんじゃないか?」と言ってくれました。かなりきつい現場だったので、「もう二度と作りません」と言ったけど、公開してみて「つきつめたその先」を自分でもちょっと見てみたいと思い始めました。

皆さま、ぜひご覧ください。

 

桜井より

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六車とは1年前の美人化計画の法人化に際して多くのアドバイスをもらったり、実は1月にも同じく親友を誘って新年会をやったばかりでした。

相変わらずのハイテンションにたじたじでした(笑)。でも改めてこうやって真面目に六車の映画制作に対する姿勢に接して、中学からその熱意はずっと続いているんだな、と感心します。

将来の夢、多くの人は様々に形を変えて行きますが、六車は本筋が変わっていない。これって珍しいんじゃないかな、映画監督には多いのかな。

美人化計画は女性のQOL(生活の質)向上を支援すると同時に、自分で考え、選択できる女性を増やしたいと思っています。「リトルパフォーマー風の鼓動」は、美しく、懐かしい風景の中で、女の子たちがそれぞれに成長していく姿が描かれていますが、さまざまなシーンで考えさせられることが多いのではないでしょうか。ぜひ劇場のスクリーンで観て頂きたく、映画館に足を運んでいただければと思います。

 

 

 

映画「リトルパフォーマー風の鼓動」 公開(シネマート新宿 16:45~)

公開中 大阪シアターセブン 5月6日まで

※六車監督作品、「シャドーキッズ」も上映中です。

風の音を「どっどど どどう」と表現した宮沢賢治。心臓の鼓動を思わせるこのリズムを子供たちの踊りを用いて感動的に描いた作品です。演技経験のない一般の小学生を主役に抜擢し、約1年かけてレッスンを行い、廃校を舞台に真夏に撮影。画面からはちきれるような子どもたちの汗と笑顔と涙。涙の後に明日を生きる勇気が湧いてきます。「風の又三郎」が現代に新しい形で蘇る!

 

 

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六車俊治監督プロフィール

1969年長崎県佐世保市出身。1992年、テレビ朝日に入社。数多くのテレビドラマを演出。2005年に退職後、映画監督、舞台の演出・脚本、テレビドラマ演出などを中心に活動中。おもな作品に「エースをねらえ(TV)」「月下の棋士(TV)」「仮面ライダーアギト(TV)」「クロヒョウ 龍が如く新章(TV)」「恋人はスナイパー(映画)」「バッシュメント(映画)」「SHADOW KIDS(映画)」など。

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香月 よう子

香月 よう子フリーアナウンサー

投稿者プロフィール

番組パーソナリティ、ナレーターの他、中心市街地活性化、町づくり等、省庁主催のシンポジウムのコーディネーター、講演を行う。一方で、「きてきて先生プロジェクト」の代表として、地域を担う人材の教育活動を展開。

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