子宮体がん、増えているの?
- 2014/11/2
- 医療

子宮体がん、有名な女優さんが49歳の若さで亡くなり、一気に話題となっています。
これまでの日本人の婦人科領域のがんは、子宮頚がんが断トツで多かったのですが、近年では乳がんと子宮体がん、卵巣がんの発生が高くなっています。
子宮に出来る癌、いわゆる子宮がんには、この子宮体がん(=子宮内膜がんとも呼ばれます)と子宮頚がんがあります。
子宮体がんが増えているのは生活スタイルの欧米化、特に食生活が原因ともされています。
2010年から子宮体がんが子宮頚がん(上皮内がんを除く)を上回ったとのことです(地域がん登録全国推計値 国立がん研究センターがん対策情報センター)。
子宮体がんは主に閉経前後の女性に多い病気でしたが、最近では30歳、40歳代が増えてきています。
子宮頚がんの原因は、HPV感染によるものなので、性交経験のある女性であれば誰でも発症する危険があります。
一方で、子宮体がんはある程度リスクがあるグループが分かっています。
症状は子宮頚がんと同じく、不正性器出血が多いです。
罹患する年齢は子宮頚がんより高く、上にもかいたように30代の後半くらいから増えてきます。
また、糖尿病、高血圧、肥満の方に多く、未産婦(出産経験のない方)も発症リスクです。
さらに乳がんと同じ体質の方に発症するため、乳がん患者さんもリスクが高く、乳がんの術後治療に用いられる抗エストロゲン剤「タモキシフェン」の服用も子宮体がんのリスクを上げます。
その一方、若年性の子宮体がんにも注意を要します。若年性の場合は、多くは多嚢(のう)胞性卵巣(PCOS)で長期間に無月経である場合に発症することがあります。
他に、超音波検査で子宮内膜の肥厚所見のある方、子宮内膜ポリープのある方にも検査を勧めます。
子宮体がん検査は、子宮内膜の細胞を採取するため、子宮に細い器具を挿入します。細胞を採取する時に痛みがありますが、個人差はあるものの、強い痛みは少ないです。また、まれに検査により子宮内の感染を起こすことがあります。
検診で行う細胞診のリスクが頚がん検査より高いことから、全ての女性に、と言う検査ではありませんが、不正出血のある方や、一度でも体がん検査で疑陽性が出ている方、乳がん患者さんは、最低でも1年に1度の検査がお勧めです。
少しでも心配な点があれば、ぜひともご相談下さい。