いくつかの報道があったため、ご存知の方も少なくないと思いますが、1年の経過で以下の様な現状が明らかになっています。
・1年間で国内で7,700人の妊婦さんが検査を受けました。
・うち、染色体異常が疑われる「陽性」が出たのは、1.8%、142人でした。
・陽性の142人のうち、113人が羊水検査を受けて、ダウン症が70人、重い心疾患や発達の遅れを伴う「18トリソミー」が34人、「13トリソミー」が9人。
18,13トリソミーは、様々な先天異常を合併するため、「致死的」とされています。
・また、陽性判定でも実際には異常がなかった人は13人、つまり約1割は異常が無いと言うこと。
・これらの陽性確定の97%の方が人工妊娠中絶術を選択しました。
・2名の方が、羊水検査を受けずに人工妊娠中絶術を受けた、と報道されています。
新型出生前診断の結果は、約2週間で分かるそうです。 もしも陽性であった場合は、羊水検査を行う準備をしますが、やはり1週間くらいは要するでしょう。 羊水検査も結果は2週間ほど必要で、新型出生前診断を受けてから最短で5週間くらいで確定診断に至ります。
結果を見て、もしも人工妊娠中絶術を選択する場合、中絶は日本では妊娠21週までしか受けることが出来ませんが、受けるのであれば週数は早いほうが母胎への影響が軽くて済みます。 つまり、新型出生前診断を受けてから5週間後には選択を迫られることになり、妊娠週数によっては、よく相談して数日で決断をしなければならないこともあるのです。
新型出生前診断は約20万円の検査費用がかかりますが、検査は採血を受けるだけなので、気軽に受ける傾向もあります。
現在、新型出生前診断を行っている各施設では、十分なカウンセリング体制が整っていますが、このような最低限の知識を前もって検査に臨むことをお勧めします。
そして、陽性であった場合、受け入れるのか、前もってある程度ご主人とも相談しておくことが良いと思います。