
10月は、乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進するピンクリボン月間(毎年10月)。
また、このような取り組みもあります。
乳がん検診行っていますか?
乳がん検診のあれこれについて、診療放射線技師で、美人化計画理事の松浦由佳さんにお話を聞きました。
(本記事は2020年に行われた、美人化計画トークルーム「胸美人化計画」から、吉田理栄子理事が構成したものを
再構成いたしました。)
日本人女性の9人に1人が乳がんにかかる時代
女性の部位別がん罹患率の第1位は乳がんで、なんと9人に1人がかかる病気です。(2017年現在)
しかも、患者数は年々増え続けています。
乳がんになりやすい人は、
・初経年齢が早い
・出産経験がない
・初産年齢が遅い
・授乳歴がない
・閉経年齢が遅い
といった女性ホルモン(エストロゲン)にさらされている期間が長い人や、
・(閉経後)肥満
・食生活の欧米化、飲酒習慣
・母親または母方血族に乳がん患者が多くいる
ことなどもハイリスク因子として報告されています。
欧米諸国では、50代以上に多い病気ですが、日本をはじめとした東アジアの国々では、40代に乳がんのピークがあるため、40歳以上は原則マンモグラフィを受けることが推奨されています。
欧米諸国では、この30年で乳がんの死亡率は減少していますが、日本は死亡率が増加傾向にあります。
この理由は、ずばり検診受診率の違い。
乳がんは早期発見・早期治療で治ることの多い病気のため、受診率が50%以上になると罹患者数が増えても、死亡率が減少すると言われています。
しかし、日本の受診率はまだ4割未満です。
視触診で発見できるのは、ステージ2以上のものが過半数を占めますが、マンモグラフィを併用することで、約7割はステージ0やステージ1といった早期がんを発見することができます。
マンモとエコー、どちらを受ければいい?
とはいえ、マンモグラフィを経験した女性たちは口々に「マンモは痛いから嫌!」という声を聞きますし、「30代はエコーの方がいいと聞いたけれど」とか、「40歳になったらマンモだけで大丈夫なんでしょ?」など、正しい情報が意外に届いていないと感じることが多々あります。
しかし、結論からいうと、マンモとエコー両方受けるのが◎。
というのも、女性の乳房は乳腺の量によって、写ったときの見え方が全く異なるからです。
マンモグラフィでは、乳腺は白く、そして、がんが疑われる病変も白く写ります。
一方、エコーでは多くの病変は黒く写ます。
若い人は乳腺が発達しているので、乳房自体が白く写り、マンモグラフィだと、がんが見えにくいのはたしか。
そのため「30代はエコーの方がいい?」という話になったのでしょう。
ただ、乳腺の石灰化はエコーでは見えず、マンモグラフィでしか捉えることはできません。
そのため、マンモグラフィとエコーの両方を受けることをお勧めしています。