桜井 明弘 あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由

11月は子宮頚がん征圧月間です。

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・HPV同時検査?

子宮頚がんの原因は、HPV、ヒトパピローマウィルスであることが分かりました。 この発見は、ノーベル医学賞を受賞しており、大変重要なことであることが伺えます。

HPVには百数十種類ありますが、そのうちがん化と関連するのは高リスク型とされる十数種類です。 この中でも16、18と番号をふられている二つのHPVが、子宮頚がん患者さんから検出されることが多く、日本でもこの二つだけで子宮頚がんの6割を占めています。

16はがん化するスピードが速く、また18は子宮頚がんの中でも発見しにくい腺癌の原因となるため、ともに重要です。

現在子宮頚がんの際に同時にこのHPVに罹っていないか、検査が出来ます。

子宮頸がん検査で正常の細胞、またHPVに罹っていない場合、1年に1回勧められる検査は3年間受けなくても大丈夫なので、同時検査するメリットはありそうです。 同時検査についてはこちらのリンク先をご覧下さい。

 

・HPVワクチン(子宮頚がん予防ワクチン)

現在、副作用が心配され、事実上接種がほとんど行われなくなってしまった子宮頚がん予防ワクチンですが、現在でも小学校6年生から高校1年生までの女性は、自治体の負担で無料でお受けになれます。

上に挙げたHPVの高リスクの中でも16,18を予防するもので、これまでの所、発がん抑制効果は高いとみられています。

しかしながらワクチンに関連すると考えられる副作用が問題とされ、国や自治体が積極的な接種を推奨していないため、ほとんど行われなくなっています。国際的にも先進国の中では日本だけが接種をしなくなってしまいました。

現在20歳前後の女性はとても多く接種されたため、この方達は子宮頚がんの心配はかなり減少すると思われます。

副作用のない治療やワクチンはありませんが、HPVの場合、ワクチンと関連しない副作用まで大きく報じられているため、必要以上に「怖いワクチン」という印象が受け付けられています。

一方で最近ではお嬢さんをお持ちのお母さま方から、HPVワクチンについてのご質問が増えてきた感があり、過熱した報道が冷め、冷静に判断しようとしている方が増えてくるのではないかと思います。

医療機関では接種される方、保護者の方に丁寧に説明することで、再度HPVワクチンが一人でも多くの女性に接種され、子宮頚がんを征圧する一助となって欲しいと思います。

 

子宮頚がんに関する記事一覧は、こちらをご覧下さい

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桜井 明弘

桜井 明弘産婦人科クリニックさくら 院長

投稿者プロフィール

2007年4月に横浜市青葉区に産婦人科クリニックさくらを開業、地域の女性のライフサポートを信条とした診療と、体外受精など高度生殖医療も行う不妊治療を柱にしてきました。

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