
皆さんはこのニュースをお聞きになり、どのように感じられましたか?
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141005/k10015129981000.html
スウェーデンで、子宮の移植手術を受けた女性が先月、男の子を出産した、子宮移植による世界で初めての出産の成功例です。
この女性は生まれたときから子宮がなく、60代の知人の女性から提供された子宮を移植しました。
移植された子宮に体外受精による受精卵を胚移植して妊娠し、帝王切開で男の子を出産したということです。
子宮移植は、これまでの医学界の常識を覆す治療法です。私の母校、順天堂大学産婦人科ではかつて、ヤギの胎仔を使った人工子宮の基礎的な実験を行っていましたが、もちろん実現にはほど遠い状況でした。
今回のニュースは、生まれつき子宮がない病気で、恐らくロキタンスキー症候群かと思われますが、女性として生まれ育ち、思春期を迎えて自分の身体の異常を知らされる、お母さんが自分が産んでくれたようには自分は赤ちゃんを産むことが出来ない、これは女性にとってとても辛い宣告であり、その女性の気持ちは計り知れないものがあると思います。
他には子宮がん、特に若年の女性に増加している子宮頚がんでは、出産以前に子宮を摘出せざるを得ない場合もあり、国内外で子宮移植の研究が進んでいます。
これまで子宮のない女性が赤ちゃんを授かるには、他の人の子宮に自分の受精卵を移植する代理出産しかかなかったため、自分のお腹で赤ちゃんを育てられ出産できる、また治療法の選択肢が増える、と歓迎の声も聞かれますが、果たして子宮移植は解決法になるのでしょうか。
次のページでは、代理出産と子宮移植のメリットデメリットをまとめてみたいと思います。