あなたはご自分の排卵がわかりますか? 〜排卵の頃に起こる現象、身体の変化〜
「排卵期のおりもの」
排卵の頃、透明でよく伸びるおりものに気づくことがあると思います。
このおりものは、血液中の女性ホルモン、エストロゲンの作用により分泌されます。
役割として、排卵の頃に腟内に射精された精子を子宮の中に効率よく取り込む、とされていますが、実はその反対の説もあり、よく分かっていない現象です。
ただ、この粘液の中で精子が元気に動いているか、それをみるのが「フーナー(ヒューナー)テスト」で、性交渉で妊娠しにくくはないかをみる検査です。
不妊治療でとてもよく使われる内服の排卵誘発剤に、「クロミッド」という名前のお薬があります。
排卵しにくい方、排卵日が一定しない、など、とても良い薬ですが、この薬の副作用の一つに、排卵期のおりものを減らしてしまう、その結果、妊娠率の低下を招く、と言うものがあります。
粘液が減ってしまう場合にはクロミッドの服用量を減らす、他の誘発剤に変更するなどの対策があります。これもよく診て頂いて欲しい項目です。
「排卵期出血」
おりものの話の中で、女性ホルモン、エストロゲンが出てきましたが、排卵期のエストロゲンはとても興味深い動態を示します。
エストロゲンの濃度は、月経期に最も低く、排卵前日にピークを迎え、排卵当日に一旦下がります。
排卵期出血は、このエストロゲンの濃度のアップダウンによるものと考えられています。
広い意味では不正出血の一つですが、最も病的な意味合いの低い、正常の方でも十分起こり得る不正出血と考えられています。
量も少ないことが多いのですが、まれに月経と間違うほどの比較的多い出血を起こすこともあり、ホルモン治療や、場合によっては排卵痛と同じようにOCを服用しなければならないこともあります。
次のページでは、「基礎体温の変化」について説明します。