桜井 明弘 あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由

妊娠したい人は、夫婦で風疹ワクチン接種を!

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不妊患者さんから「主人も風疹ワクチン打った方がよいですか?」と質問されました。

 

2012〜2013年の風疹の大流行はメディアなどで取り上げられたため、記憶に残っている方も多いと思います。

そのとき妊婦さんが感染して、先天性風疹症候群の赤ちゃんが全国で44人も出生しました。

 

また現在23歳以降の男性は、制度の問題で風疹ワクチンを接種していないことが多く、実際に罹患した30〜40代の患者さんでは、

圧倒的に男性が多かったのが特徴的でした。赤ちゃんを考える世代の男性はまさに風疹への抵抗力が無い、と言えます。

 

2012〜2013年の風疹の流行も、7割以上が男性の感染で、妊婦さんの感染もほとんどがそのご主人からの感染だったとのことです。

 

妊娠中に感染すると赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症してしまうことから、長く女性のみが風疹ワクチン接種の対象となっていました。

しかし、ワクチンの効果は一時的で、年々その抗体価(免疫力)が低下する可能性があります。

 

つまり、妊娠する女性はワクチンを打ったものの、妊娠を考える現在、既に抗体が低くなってしまっている可能性、

そしてそのご主人はワクチンを打っていないので、簡単に風疹に罹ってしまう可能性があります。

 

最近奥様がワクチンを打ったとしても、中には免疫が付かない場合もあり、赤ちゃんへの感染を防ぐためには、夫婦でワクチン接種を行うことが重要です。

 

また、風疹は発疹が消失するまで感染力があり、ご主人も罹ってしまったらお仕事に行けないことになります。

 

 

さらには、ワクチン接種はご自身、奥様、産まれてくる赤ちゃんのためだけではなく、社会的な役割もあります。風疹に限らず、

流行性の病気は、そもそも流行らなければ罹る心配が無い。流行を少しでも軽くするには、一人でも多くの方がワクチンを接種し、

罹らない人を増やすことです。アレルギーや持病など、様々な理由からワクチンを打てない方もいます。

こういった方たちも流行を防ぐことで守ることができるのです。

 

なお、女性が風疹ワクチンを接種した場合には、2か月間の避妊期間が必要ですが、男性が接種しても避妊期間はありません。

また、風疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の女性が接種することはできません。

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桜井 明弘

桜井 明弘産婦人科クリニックさくら 院長

投稿者プロフィール

2007年4月に横浜市青葉区に産婦人科クリニックさくらを開業、地域の女性のライフサポートを信条とした診療と、体外受精など高度生殖医療も行う不妊治療を柱にしてきました。

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