桜井 明弘 あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由

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おりものの悩み、女性にとって深刻だったりします。

そもそも正常なのか、異常なのか、人と比べることが出来ないのは、月経の量とかも同じ。

量が多い、臭いがする、痒い、など、が気になって来院する患者さんが多いです。

 

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正常のおりものは、透明から白色で、やや酸っぱい臭いがします。

これは腟内を綺麗に保つ、乳酸桿菌のおかげで、正常の腟内はやや酸性です。

酸性の環境には、その他の雑菌などが繁殖しにくく、よって女性は腟から子宮、卵管を通してお腹の中に菌が侵入する最初のバリアとなっているのです。

 

おりものがおかしい、と来院される患者さんの中には、全く問題がない方もいらっしゃる、例えば上に書いたやや酸っぱい臭いが気になるけど、検査をしても何も異常な菌が検出されず、乳酸桿菌だけ、と言う場合は、その臭いが正常なのです、と説明しています。

 

これは異常かな? と思われるのは、

「泡状」のおりもの。これに魚が腐ったような悪臭が伴うと細菌性腟症、またかゆみが伴うとトリコモナス腟炎を疑います。

「におい」はその他の雑菌でも変化があります。雑菌類が増えると乳酸桿菌が減少して臭いが変わるのです。

また最大の悩みは「かゆみ」で、大多数のかゆみの原因はカンジダという真菌、つまりカビの一種です。特徴的なおりものは、酒かす状、とも表現され、白いかすのようなものがポロポロ。再発を繰り返す方にとっては、厄介で不快な病気です。

(再発を繰り返すカンジダに、長期内服治療があります)

 

ただし、これらのおりものの特徴、一概に共通しているとは限らず、また混合感染するとますます典型的でない場合がありますので、気になる症状はやはり一度、産婦人科を訪ねて下さい。

 

最後におりものは、エストロゲン、つまり女性ホルモンの影響を受けます。

つまりピルのようなエストロゲンが含まれるホルモン剤を使用するとおりものが増えたり、逆に減ったり。

更年期近くになると減る、とか、ほとんどおりものの自覚がなかった若い方が、ホルモン治療を始めて増えた、とか。

 

女性にとってはとても身近で悩ましいおりものですが、自己解決せず、頼れる婦人科医と一緒に治療にあたって下さい。

 

2015年5月19日

2016年1月9日更新

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桜井 明弘

桜井 明弘産婦人科クリニックさくら 院長

投稿者プロフィール

2007年4月に横浜市青葉区に産婦人科クリニックさくらを開業、地域の女性のライフサポートを信条とした診療と、体外受精など高度生殖医療も行う不妊治療を柱にしてきました。

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